「美研」はもちろん美術研究会の略称だが、これは新制になってからの名称である。
旧制の頃は「絵画班」次に「美術部」と呼んでいたようである。
同窓会としての「美研」の大きな活動は、その旧制時代の「美術部」のOBと共に、年一回の展覧会「八雲展」を開催していることである。
この「八雲展」の第1回は一九七九年に遡る。
その年、府立高等学校創立50周年を記念して、旧制の卒業生を主体にして始められた。
学校創立以来美術を担当された松岡正雄先生がまだ元気な頃で、先生は新制になってからも引き続き美術を受け持っておられた関係から、「美研」のOBにも声がかかり、旧制〜新制一環しての催しとなった。
そうした発端から、当初は松岡先生の薫陶を受けた旧制1期から新制7期ぐらいまでの卒業生による展覧会として推移してきた。
しかし5年前の第21回展からは、会の運営を新制の「美研」の卒業生がメインとなって行うようになり、同窓会の催しの一つとして、もっと若い世代へ範囲を広げるべきであるとのことから、その年に判る範囲の「美研」の卒業生に葉書を出して参加を呼びかけた。
併せて、都立大学の卒業生へも声を掛けた。
その結果、年毎に新しいメンバーの参加が増えている。
それでもまだ一番若い人でも30代後半、もっと若い多数の卒業生の参加を望んでいる。
今年の「八雲展」は、大崎ニュー・シティ内の「O美術館」で、5月18日から23日まで開催、その一夕には出品者を中心に総会を兼ねた懇親会を催され、年齢幅50年が和気あいあいというひとときを過ごした。
そして会期中を通して千人を超す入場者を数える盛況だった。
来年もほぼ同じ時期に同じ会場で行う予定。
「美研」のOB、「美研」に限らず美術に関心のある卒業生、来年の参加を待っている。