私が都大附属高校に赴任したのは、一九六八年のことで、当時はまだ群制度以前の制度で入学した学生が三年生として残っていた時代でした。
言ってみれば附属高校の古き良き時代の名残りが未だ残っていた頃です。
当時は今とは違って教育庁の管理体制もそれほど厳しくなく、教員全体の中にも自由でのびのびとした雰囲気がありました。
そして何よりも多くの教員が、それぞれ本業である高校生を教えることの他に、各自が自分の研究課題をもって悠々と勉強していたことです。
古き良き時代の、そうした雰囲気を幾分でも味わえたことは幸せでした。
その後の附属高校が、ご多分にもれず群制度の導入と共に、他の都立高校の多くがそうであったように衰退の一途を辿っていったのは、全く残念という他はありません。
附属高校への思い出は、他にもいろいろありますが、他の高校に移ってみると、特に附属高校でのあの当時のことが懐かしく思い出される今日この頃です。