都立大附属高校硬式野球部の最後の部員は、男子九名、女子マネージャー一名の合計一〇名である。
この学年は自分たちの学年で都立大附属高校が閉校になると知っていて入学してきた。
それだけに、今までの部員達にはない思いを背負っていたのだろう
都立大附属高校野球部最後の夏の大会は、都立桜修館中等教育学校との連合チームとして参加した。
七月一四日に行われた所詮の二回戦は、大田スタジアムで行われた。
快晴の夏空のもと、部員たちは、溌剌としたプレーを見せ、結果的には八回コールドゲームという圧勝で初戦を突破した。
七月一七日に行われた三回戦は、駒沢球場で試合が行われた。
土曜日であり、また、場所も学校から近いということもあり、多くの在校生や教職員、そして、近年卒業したOBをはじめ、都立大附属高校野球部の歴史を作ってくださった多くのOBの方々が応援に来てくださった。
結果は残念ながら健闘むなしく負けてしまったが、レギュラーとして最後の都立大附属高校の部員九名が出場し、全力でプレーをしてくれた。
都立大附属高校の名に恥じないプレーをしてくれた部員達に感謝したい。
現在まで、野球部には、さまざまな先生方、トレーナーをはじめとする関係者、OB・OGが関わり、都立大附属高校野球部の伝統を作り上げてきた。
私は、この一番最後の場面を、部員たちと歩むことになった。
私はこのグランドで、部員達の真剣さ、そして明るく伸び伸びとした空気に触れた。
また、OB・OG、都立大附属高校野球部に長年にわたり関わっていただいたトレーナーをはじめとする関係者の方々、そして、父母の皆様の熱い思いを感じた。
この野球部がなくなってしまうことは、本当に残念である。
これで都立大学付属高校は幕を閉じるが、今まで引き継がれてきた思いは、連合チームを組んだ桜修館中等教育学校の後輩たちに引き継がれることを期待したい。