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同窓会報 第15号 (1973年7月21日発行)

卒業生のみなさんへ

斎 正子教諭    

 卒業生のみなんさん、お変りはありませんか。 卒業生名簿アンケートの返信を受け取る度に、おひとりづつ高校生の頃を思い出して、懐かしさに時を忘れますが、現実に戻って、まず御報告からはじめたいと思います。
 今年の高校三年生が二十四期生です。現一年生まで数えると同窓生は五千人を越す大世帯になり、毎年約三百人ずつ会員がふえていきます。 第一期生は今年四十一歳の筈です。

 今度、同窓会の組織・運営を変えなければならくなったのは、昨年まで同窓会長だった十九期の中村君から辞意があり、再建の見通しのないことを告げられたからです。 五千人の会を、若い大学生の会長がとりしきるのは至難のことと思い、この際「一期生、二期生あたりでまとめて頂きたい」と話しかけたところ、「やろうじゃないか」と気安く腰をあげて下さって話が進みました。 四十七年度の記念祭に、各期の委員に集まって頂いて準備会を開きました。 委員の不明なところは、偶然参加された方に出席を願ったため、前から定った委員の方の失礼した点もありましたが御了承下さい。
 毎月一回、各期委員が集まり、一期生の内野さんとF目さんがとりしきって、まず名簿作りからはじまりました。 六回目の五月二十六日の夜の集まりには五十人にもなったでしょうか。 気運が盛り上がり、ムンムンした熱気がみなぎっていました。
 この前の濃緑色の表紙の名簿から七年たっていました。七年の空白が住所不明者を一ぱい出していて、東京の入口の流動のはげしさを知らされました。 表面さりげなく変わらぬ東京の下部で、飴のような流れが音もなく動いており、それにのって移動し、やがて学校などではとてもつかまえきれないような何処かの空間へ消えてしまって、過去と断絶する卒業生がこんなにもたくさんいるのかと驚きました。 今のうちにはっきりさせたいものです。
 さて名簿作りの手伝いをして奇妙なことを発見しました。 クラス会や同期会を度々やって名簿が大体できているところ、一度も会をもたないところ、委員のきまっているところ、いないところ、クラスやクラブを、クラブよりもグループを大切にした学年などさまざまでした。 在学時代の社会風潮の影響も大きいのでしょうが、クラス作りの中に連帯の観念がどうであったかを、現在から過去の教育を改めて見直すような気持ちになりました。 「一寸コマメな奴がいれば、クラス会なんかすぐやれますよ。」そうかもしれません。
 返信の名簿資料は野口君(四期)と杉浦さん(十期)を中心の大整理が行われています。 十月の総会までに間に合わせたいと張り切っています。


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