高校を卒業してしばらく経ちましたが、写真の印刷を待ちながら部室でのんびり過ごした日々はまるで昨日のことのように感じます。
私がこの学校を志望した理由として少なからず、都立高校には珍しい「暗室を持っている写真部」という存在がありました。
しかし、いざ入部してみると、部員は一年生が四人。
二年生の先輩はおらず、三年の先輩はすでに引退してしまったため、私たちが部を動かしていかなくては廃部という危機的な状況でした。
村田先生にカメラの知識を教わりつつ、部員同士で写真を見せ合ったり、ときには撮影会に入ったりもしました。
そうした日々を積み重ねた結果、一年生の冬の東京都高等学校写真連盟写真展で入賞し、島根で行われた全国高等学校総合文化祭に東京都代表として出展することができました。
一泊二日という短い期間でしたが、多くの作品を見たり、全国の写真部の人達と触れ合ったりする機会を通じて、写真に対する考え方が大きく変わりました。
「自分がこの写真を撮ることによって、なにを伝えたいのか」を考えてシャッターを切るようになったのもこの頃からでした。
私が二年生になるころには、いつの間にか部員は一四名にまで増え、この年の記念祭ではカフェスタイルの展示を行いました。
人数が増えたことで部会で全員が揃う機会は多くはなくなってしまいましたが、それでも必要な時には顧問の先生方も含めた全員で協力しあえる、そんな仲の良さがありました。
ー授業が終わった放課後に写真を印刷しようと部室にいると、それを見た部員が何人か集まって来る…話しに夢中になっていると、気付いたら日が傾いている…慌てて、夕焼けの写真を撮りにベランダに走る。
なんでもないような日常的なことかもしれませんが、私はこんな雰囲気の写真部がとても大好きでした。
写真部での様々な活動は私の中で大切な思い出になっています。
先生方、卒業していった先輩方のおかげで写真部は、ここまで長い歴史をつないでこられたのだと思います。その歴史の一部として、私は写真部と出会えてとても嬉しかったです。
本当にありがとうございました。